英雄ヘルクレスは、神々の父ゼウスとアルクメネのあいだに生まれた子どもでしたので、ゼウスの正妻ヘラにたいへんにくまれていました。ヘルクレスは誠実で力持ちでしたが、ある時ヘラの呪いで気が狂って自分の息子を殺してしまうのです。ヘルクレスは、その罪をつぐなうために王様からたいへん危険な12の仕事を命令されました。その一つが9本の首を持つ怪物ヒュドラ(うみへび)を退治することでした。ヒュドラはカニと仲のいい友達でレルネーの沼で平和に暮らしていました。勇者ヘルクレスの冒険物語の第2番目の相手がカニの友達ヒュドラだったのです。ヘルクレスとヒュドラの戦いは壮絶を極め双方互角に戦ったのです。次第にヘルクレスの怪力の前に苦戦となってきました。その様子を物影が見ていた気の小さな化けカニは何とか友達を救おうと思わず飛び出すと、ハサミでこんしんの力でヘルクレスの足を挟んだのだった。しかし、ヘルクレスはこの程度ではびくともせず、カニを振り払うとその大きな足で踏み潰してしまいました。その哀れな姿を見た女神ヘラはカニを天に上げて星にしました。また、この化けカニは、ヘルクレスをにくむヘラが事前に送りこんだと言う話もあります。
                                               キリシャ神話より