ケフェウスはエチオピアの国王だ。王妃カシオペアと一人娘のアンドロメダ姫と共に穏やかに暮らしていた。ところがその静寂は、カシオペアの親ばかがきっかけとなって打ち破られてしまう。こともあろうに、娘アンドロメダの美しさを海の精ネレイスを引き合いに出して自慢したから大変、そのことを知って怒ったネレイスは、海の神ポセイドンに頼んで仕返しをしてもらうことにした。この日からエチオピアの海岸は、連日連夜ポセイドンが放った化けクジラに襲われるようになった。思い悩んだケフェウスは、神にお伺いをたて、その神託に従って、一人娘のアンドロメダ姫を化けクジラの生贄として差し出したのだった。自分の妻が犯した罪ゆえに言い訳することもできず、悩み苦しみ、その苦しみのあまりにこぼした血の涙が真っ赤な星、ガーネットスターとなって輝いている。
ガーネットスターは1月の誕生石「ガーネット」のような深紅色の星。ウイリアム・ハーシェルの命名によるもので、3.6等〜5.1等まで明るさを変える不規則変光星である。距離1000光年ながら干渉計で直径測定が可能な星のひとつで、その大きさは太陽の1500倍、表面温度2000Kという超低温の赤色巨星である。肉眼では確認がむずかしいが、双眼鏡で見ると濃い赤色の星のようすがわかる。
                                                      ギリシャ神話より