
神話には諸説あり、蛇を退治した巨人サンガリウスであるという説や、蛇の毒の治療に優れた神医アスクレピオスとも、トリプトレムスの竜退治をした王ゲーテであるともいわれます。へびつかい座の巨人はギリシャ神話では医神アスクレピオスの姿であるとされている。昔は、蛇は健康のシンボルで医術に必要な能力を発揮させるための象徴ともいわれ、星座では頭部と尾部に分かれたへび座となっています。へび座はプトレマイオスがへびつかい座から分割したといわれていますが、プトレマイオスの48星座には数えられていません。太陽神アポロンとテッサリアの王女コロニスが恋に落ち、夫婦になりましたアポロンはコロニスに自分の使いであるカラスの偽証のために、コロニスを殺してしまいましたが、コロニスはアポロンの子供を宿していたのです。アポロンはコロニスの亡骸から赤ん坊を取り上げ、アスクレピオスと名付けた。アポロンはアスクレピオスをケンタウルス族の賢者ケイロン(射手座)に預け、アスクレピオスはそこですくすくと育ちました。医術の父アポロンの才能を受け継ぎ大変頭が良く、さまざまな学問をケイロンから学びましたが、その中でもとくに熱心に学んだのが医術でした。アスクレピオスはケイロンから様々な医術の神髄を教わり、やがて彼の右に出る者はいないほどの名医となりました。アスクレピオスはその後、アルゴ号探検隊にも参加するなど英雄の一人として活躍していましたが、彼のとどまるところを知らぬ才能はついに神々の禁を破ってしまいました。アテナイ王テセウスの息子、ヒッポリュトスを死から蘇らせてしまったのです。この自然の秩序を乱す行為に冥府の神(王)ハデスは激怒し、大神ゼウスに訴えました。このまま人が死より蘇ってしまっては、地上は人であふれかえり冥界は寂れきってしまうでしょうと。ゼウスはその訴えを受け、大神ゼウスは医術の力で死者を蘇えらせ自然の理に背くその行為は天地の常道を覆すことになりかねないとして、アスクレピオスを雷光でもって撃ち殺しました。この事件で怒り狂ったのはアポロンでした。アポロンは雷光を作ったキクロプスたちを皆殺しにしてしまいました。父アポロンが大神ゼウスに願い出て、その後アスクレピオスの罪は許され、人々のために生きた彼の功労が認められ、天にあげられ星座になったと云えられています。これが蛇遣い座となったといわれます。そして、蛇は医術の象徴であると同時にアスクレピオスの使いであるとも言われています。紀元前293年にローマで悪疫が流行った頃、アスクレピオスはローマに呼ばれましたが、その時彼は蛇の姿をとって現れたと伝えられています。
キリシャ神話・ローマ神話より
