さそりはオリオンを殺すために送り込まれた刺客として登場する。オリオンは天下に自分ほどの腕の良い猟師はいない。たとえ逃げ足の速い鹿だって、自分に掛かれば、亀も同然だし、熊やライオンだって、赤ん坊のようなものだ。などと自慢しては、森の動物たちを殺していました。そんな乱暴なオリオンを見た大地の女神ガイヤは激しく怒り、毎日獲物が捕れるのは、私が与えてやっているからだ。それなのに、なんという思い上がりなんだ。とかんかんになりました。怒りの修まらない大地の神は、一匹の大サソリを呼んで、オリオンを刺し殺しておしまい、と命令しました。オリオンは森の中で待ち伏せをしている大さそりと遭遇したのです。オリオンは右足を上げて踏みつぶそうとした。大さそりはすかさず右に動いて尻尾の毒針でオリオンの左足を刺したのだった。さすがのオリオンも大さそりの猛毒にはかなわない、さんざんもがき苦しみ、とうとう死んでしまいました。女神ガイアは、さそりの功績をたたえ天に上げ、オリオンも勇者として天に上げた。ただし、夏になってさそりが出てくると、オリオンは逃げねように西の地平線に沈んで行くのであります。
キリシャ神話より