■LOZOS Rubiner 300mmF4.5■

以前から、気になっていたルビナーを使わせていただける機会がありまして、冷却CCDで撮影してみました。



LZOS Rubiner 300mmF4.5
                  
いつもお世話になっている、いこさんよりお借りしたものです。
果たして性能やいかに?

その前にルビナーについて。
まずメーカですが、以前、インターネットで調べてみたところ、LZOSというメーカのようです。
LZOSではMTOというマクストフカセグレンベースのミラーレンズを60年代から作っていたそうで、Rubinarはその後継機のようです。

光学系はホートンカセグレン式を採用しています。
ホートン・カセとはあまり耳にしない光学系かもしれませんが、簡単な説明をしますと、球面レンズですが、補正板を2枚擁し、マクストフ以上に球面収差を抑え、恐らくは補正板自身の色収差補正まで憂慮していると思われます。
しかも、このルビナー、それだけでは飽きたらず、後部にフラットナーまで配置してあるという、贅沢ぶりです。
そのフラットナーのおかげもあって、月天の記事では500mmF5.6では645でも使用できたとのことですから、いやはや、その高性能ぶりには驚くばかりです。

心臓部たる光学系は非常に優れているといえます。
これが日本製だとしたら、相当に高価なものとなっていたことは疑う余地がありません。
そもそも付属のフィルター3枚だけでも1万円近いお値段になるでしょうし。
また、写真では付けていませんが、立派な金属フードも付属します。
ルビナー300mmにST7Eを取付けて撮像したM31アンドロメダ大星雲です。
撮影結果はご覧のとおり、見事なもので、
色収差が出る屈折系望遠レンズの場合、
たいていの場合は、ST7Eで三色分解してしまうと、どうしても色収差の影響を無視できず、
星がマゼンタ色(IDAS Type3フィルタだから)を帯びてしまうことが多いのですが、
ルビナーでは、さすが、色収差の影響は皆無です。
M31と右下のM110(NGC205)との色調の差も、見事に表現してくれています。

フォーカスはなかなかシビアーで、合わせずらく感じました。この作例でも若干甘かったかもしれません。
とはいえ、星雲自体の解像力に関しては300mmとしては非常に良好だと感じます。
星像もST7Eの小さなCCDチップでは判断の目安にすらなりませんが、周辺まで良好でした。

中央遮蔽が大きいですから、どうしても、実効F値は暗くなるのでしょうが、冷却CCDカメラによる撮影では、元もとの感度が高いので、さほど気になることもないでしょう。
むしろ、並のレンズと比較すれば、色収差の点で大きなアドバンテージがあると思います。
高級な300mmF4クラスのAPO望遠と比較してしまえば、明るさで劣りますが、画質は同等(あくまで☆用としてですよ)、そして価格の面で大きくアドバンテージがあるわけで、この300mmF4.5というのは非常に魅力あるレンズとなっています。
500mmF5.6となると、EDやフローライト系の小口径屈折とスペックが競合しますし、F値の面でも実効Fの暗さを考えるとアドバンテージはありません。そして、やはり天体用としての操作性(合焦・対象導入を含めて)は望遠鏡の方が上でしょうから、あえてルビナーを選択する意味合いは少ないかもしれません。

それにしても見事なもので、やはり1本は持っていても損はないレンズだと思います。

この画像は、EM-200を修理に出している時に撮影したもので、EM-10にルビナーを載せて、露出2分でノータッチガイドしたものです。
もちろん、何コマかコンポジットしていますが、実効F値の暗さの問題はあまり感じられませんでした。
元もとがF4.5ですしね〜。冷却CCDなら実効F5程度なら充分。充分。
一眼デジでも実用範囲内でしょう。
周辺像までの保証はできませんが、少なくとも色収差という観点からは、オススメできます。

いや、もう、僕はすっかり気に入ってしまいました。

2005.05追記

ST8E相当で再度テストを行ってみました。

ダーク補正もしていない生データです。

少々、周辺減光が大きいことが判ります。
しかし、周辺減光に関しては、冷却CCDカメラでは、フラット補正を行うことで、補正することが可能です。

タムロン328でもかなり大きな周辺減光がありますので、比較的視野が広くなる望遠レンズで、しかも光害地では、この程度の周辺減光は仕方がないのかもしれません。

露出は5分 1枚画像です。
ソフトウエアで1/2にう縮小しています。
中央部トリミングです。
特筆すべきは、そのシャープネスで、
やはりレンズ系望遠レンズでは、高価なEDを用いた望遠レンズに匹敵するか、あるいはそれ以上の切れ味を示していると思います。

画像左上

充分に視野周辺でも星像崩れもなく、見事な星像を示しています。
左下。

やや左下の星像が崩れるのは、マウントのガタによる遊びのせいではないかと思います。
Nikonマウントはややガタが大きい為、重たい冷却CCDカメラを取り扱うにはやや難があります。
右上。

やはりシャープです。
よく見ると、極若干、最周辺では周方向に星像が崩れていますが、
しかし、問題にならない程度と思います。
右下。
最周辺ではやはり周方向に極々若干、星像がコマ収差状に崩れますが、これも問題になるレベルではなく充分な性能でしょう。

明るい星にゴーストが出るのがちょっと気になります。
冷却CCD用の干渉フィルタで生じているのか、
あるいは補正板か・・

ルビナー300mmF4.5はST8Eクラスで使用する場合、
やや周辺減光が大きい点と、F値から想像するよりもやや写りが悪いかなと感じるものの、
星像は望遠レンズとしてはすこぶるシャープで、周辺まで満足に足る性能を示します。
色収差がないことは、上のカラー画像から、確認できますので、望遠レンズにありがちな色収差による星像の肥大もありません。
唯一気になるとしたら、明るい星の周りに見られるゴーストでしょうか・・
それと、ピントはかなりシビアーで、やや合わせにくかったです。

1枚だけ撮ったら曇ってしまったので、簡単にテストしただけですが、非常に高い性能であることを確認することができました。
今後、もう少し使ってみてさらに性能を確認したいと思います。